AI回答の精度を高める
日本の企業サイトでAIをためらう理由の一つは、もっともらしい嘘を言わないか、です。精度を「高性能なモデルに替えること」と置くと、この不安はほとんど減りません。誤答は、モデルの性能だけでは決まりません。
まず結論
AIの誤回答リスクをゼロにはできません。情報源、回答してよい範囲、分からないときの挙動、更新の頻度を決めると、リスクは大きく抑えられます。ゼロ、100%、絶対に間違えない、とは書きません。その言い方自体が誤答です。
WebsiteChatは、接続したウェブサイトの情報を中心に答え、自社サイトの範囲に限定できます。分からないときは無理に埋めず、分からない旨と問い合わせ先を出す運用が望ましいです。会話履歴を見て、足りない説明はページ側で直します。
どんな課題か
- サイトに無いキャンペーンや料金を、それらしい文で言ってしまう
- 隣のサービスと条件を混ぜる
- 古いPDFと新しいページの両方から、矛盾した文を作る
- 不明なのに、丁寧な文章なので正しく見える
- 担当者が直したつもりが、元ページは古いままである
なぜ誤回答が起きるのか
回答精度は、少なくとも次の七つで決まります。モデルを高性能にするだけでは、1と5と6と7は動きません。
- 元情報の品質。薄い、古い、ページ同士が矛盾している
- 質問の理解。一つの文に二つの依頼が入っている
- 検索。質問に近い記載を拾えているか。離れた段落を混ぜていないか
- 回答の生成。拾った記載を超えて補っていないか
- 回答範囲の制御。自社サイト以外の一般知識を使っていないか
- 不明なときの挙動。0件のときに止まれるか
- 更新頻度。価格改定のあとに再取得しているか
公開情報を探してから答える方式では、検索が外れると、その後の文章がどれだけ自然でも誤りです。これをモデルの性格の問題として扱うと、直す場所を間違えます。
情報源を限定し、元情報を整理する
- 答えてよいURLを決める。採用情報や過去のニュースを、製品の条件と混ぜない
- 同じ事実は一つのページに書く。料金は料金、手順は手順
- 「応相談」「別途」は、条件が無いという意味で残す。AIに数字を作らせない
- PDFを使うなら、文字が取れるファイルにする。上位プランでPDFを知識に加えられます
- 画像の中だけにある表は、ページの文章にも書く
意図、不明、人への引き継ぎ
「それ、対象ですか」は、対象の定義がページに無いと答えられません。確認すべきは相手の属性であって、それらしい業種を当てることではありません。意図が割れないときは、ページにある区分を示して聞き返します。
不明なときは答えない。このルールを、歓迎の文より先に試験してください。WebsiteChatで望ましいのは、分からない旨と、今ある問い合わせ先の案内です。有人担当がすぐに会話へ入る、という約束ではありません。
引き継ぐ質問の例は、クレーム、個別契約、医療・法律・金融の判断、本人確認、ページに無い例外です。
質問ログから直す
- 誤答を一つ開く
- どの記載を根拠にしたかを、公開ページ上で探す
- 記載が無いなら、ページに足すか、その質問を人へ回す
- 記載が矛盾するなら、残すページを一つにする
- サイトを再取得し、同じ質問で古い文が消えたか確認する
ログは成績表ではなく、足りない見出しの一覧です。同じ誤答が週に二回なら、モデルではなくその段落を直します。学習の渡し方は、別の記事に手順があります。
向いているケース
- すでに試験導入して、それらしい誤答を一回見ている
- 料金と条件の更新担当がページ側にいる
- 断定してよい範囲と、人が返信する範囲を文章にできる
- サポートかWeb担当が、月に一度ログを見る時間を持てる
向いていないケース
- 誤答ゼロを導入条件にしている
- 正本がメールの個人フォルダにあり、サイトは更新されない
- ページを直す権限が無く、プロンプトの文言だけを変え続ける
- 規制のある助言を、公開ページの範囲を超えて自動化したい
精度のページは、販売やリードの話ではありません。正しい範囲で止まれるかを見るページです。製品の全体はサイト向けAIチャットボットにあります。
関連ページ
- 知識の渡し方
公開ページとPDFを知識にする考え方
- サイト向けAIチャットボット
根拠を自社サイトに置く前提
- 導入ガイド
クロールし直し、テストしてから公開する
- WebサイトにAIを導入する
精度の前に、小さく出す順番